第26章 遭遇
結局、練習は部活と同等の時間帯まで続いた。
日が落ちる前には切り上げさせたけど。
本当に体力底なしだな。
ボール出しだけでも疲れるのに、その上ブロックまで要求するなんて。
最早鬼としか思えない。
「足腰痛い…」
肩もかなり凝ってるし。
マッサージして貰おうにも、してくれる人が居ない。
明日までに治ってくれてると助かるな。
と、呑気に考えながら角を曲がる。
「わっ…」
何かにぶつかった。
「すみませ…蛍!」
目の前に居たのは私服姿の蛍だった。
意外。
あんまり外出たりしなさそうなのに。
「君がボーッと歩いてるのが悪いんでしょ」
「まぁ、そうだね」
「今帰り?」
「そう。
無理矢理終わらせて来た」
「体力底なしでしょ、あの単細胞達」
「本当、参ったよ」
中学時代はそこまでストイックにやる人は少なかった。
オーバーワークだ、って岩泉先輩が帰らせてたお陰かな。