第24章 変化
「ご機嫌よう」
噂をすればなんとやら、だ。
気にしない、気にしない。
気づかなかったことにしよう。
面倒くさいことになりかねないし。
「蛍くん、ご機嫌よう。
本日はお早いのですね」
「まぁ…」
うわ、嫌そうな雰囲気。
顔には出してないけど、そういう感じがビシビシ伝わって来る。
蛍も大変だな。
「その同情的な目止めてくれない?
不愉快なんだけど」
目ざとく見つけるな。
「…柏木サン、少し宜しくて?」
面倒そう。
でも断るともっと面倒そうだ。
「まぁ」
お嬢様に連れられて来たのは校舎裏。
ベタだな、呼び出しの超定番スポット。
「単刀直入にお聞きしますわ。
あなたは一体蛍くんのなんですの?」
「は?」
「いつもいつも蛍くんにつきまとって…。
身の程知らずも良いとこですわ」
なんでそうなるのかな、普通。
「部活仲間(チームメイト)」
それ以上の答えはない。