第22章 必殺技
「影山、トス上げてくれ」
「おう」
体力底なしだよね、本当に。
休憩時間ぐらい休憩すれば良いのに。
「月島ー」
「僕やらないから」
あぁ、ブロックか。
「スパイク練も大事だけどさ、日向はもう少しレシーブを練習したら?」
「うっ…今度やる」
あ、やらないな。
「良いじゃん、月島。
飛んでくれよー、ブロック。
なぁー?」
「波瑠さんに飛んで貰えば?」
「え…」
嘘でしょ。
「貸し、あるの忘れてないよね?」
それを言われちゃうと断れない。
「…分かった」
「本当に⁉︎よっしゃあ」
ガッツポーズまでして喜ぶことなのかな、普通。
というか面倒くさい。
でも貸しは貸しだしな。
やるしかない、か。
髪を結い上げると視野が広くなり、より広範囲を見渡せる。
何より髪が顔に当たって気が散ることもなし。
「ブロック飛べば良いんだよね?」
「おうっ」