第21章 体育
「え?あ、う、うん」
「それではわたくしと2対2をやりませんこと?」
魂胆が見え見え。
「えぇ…」
山口くん、なんか可哀想。
「別に」
どっちが勝つかなんて、分かりきったことだ。
そして向かい合う。
正直言って…。
「つまらなそう」
つい本音が漏れた。
「蛍くん、わたくしとじゃんけん致しましょう?」
「…柏木さん、やって来て」
「月島ご指名だよ」
面倒だし。
「はぁ…」
溜め息を吐きながら歩み寄る。
嫌々な雰囲気が月島の周りから漂っている。
「波瑠さん、サーブかレシーブどっちが良い?」
あ、名前…。
「レシーブで良いんじゃない?」
サーブなんてやれる訳ないし。
「だってさ、山口」
「あ、うん。
分かった、ツッキー」
「適当で良いからちゃんと返しといてね。
僕そういうの面倒くさいし」
「はいはい」
確か先に6点先取した方が勝ちだったよね。