第20章 好物
学校からの帰り道、皆で坂ノ下に寄った。
「やっほぉー、肉まんだ!」
皆はアイスから肉まんに切り替えたようだ。
「柏木は本当に肉まん良いのか?」
「はい。
私はアイス派ですから」
「じゃあそれ買うから貸しなって」
「え、でも…」
「良いから良いから」
「すみません、ありがとうございます」
なんだか申し訳なくなる。
「お前年中アイス食ってて飽きねぇのか?」
「それ、年中肉食べてて飽きないの?
って言うのと同じなんだけど」
「に、肉は別だろ」
「同じ食べ物だよ」
「ほい」
買ったものを皆に配る澤村先輩。
「「「あざーっす」」」
「そういえばずっと気になってたんだけどさぁ。
影山、柏木」
「「はい?」」
「2人はどんな関係なの?」
「幼馴染み…すけど」
言ってなかったかな、と首を傾げる。
「知らないのは2、3年生だけですけどね」