第3章 クイーン
「なぁ‼︎
マネージャーやってくれない⁉︎」
登校早々、昨日知り合った日向くんに言われた。
「なんで?」
「マネージャーが必要だから」
理由になってないし。
「嫌」
「えぇー…なんで?」
「面倒。
ていうか教室まで着いて来るつもり?」
「頷くまで!」
頑固だなぁ。
「マネージャー」
「嫌」
「やって」
「断る」
「なんで?」
「面倒だから」
教室へと続く廊下ではずっと同じ会話が繰り返されていた。
「あれ、日向じゃん。
4組になんか用なの?」
「おう、山口。
4組じゃなくて柏木に用があるんだ」
呼び捨て、ね。
俺が山口と話している内に柏木はさっさと席に着いてしまった。
「なぁ!」
「やらない」
「まだなんも言ってねーじゃん」
「言わなくても分かる」
「なんでそんなに嫌がるんだ?
バレー嫌い?」
「別に」
嫌いな訳ではない。