第17章 勧誘
試合はデュースにもつれ込み、33対31でなんとか勝利を収めた。
きっつ…。
「お疲れ」
「ありがとうございます」
事前に作っておいたドリンクを皆に配る菅原先輩。
梟谷の皆はペナルティのフライング1周をこなしている最中だ。
木兎さんの顔、本当に悔しそう。
「君って本当に性格悪いよね」
「よく見てるって言ってくれる?
人聞きの悪い」
「本当のことでしょ」
サーブの時に少し助言しただけなのに。
「サーブで狙うなら木兎さんか赤葦さん、って普通考えないでしょ。
極力ボール渡したくないメンツだし」
「そう?
そこ2人はレシーブ苦手っぽかったし、ちょっとした牽制」
そこを狙うが好機。
そう考えるのが普通じゃないのかな。
緑下先輩のまとめたスコア表に目を通す。
やっぱりうちはレシーブミスが多いな。
こればっかりは、どうしようもないし。