第16章 尊敬
いつも以上に練習量が多いから、消耗品の消費量も普段の比じゃない。
「…波瑠…」
「はい?」
「これ…ありがとう。
何も覚えてないけど…」
綺麗に折り畳まれたジャージを受け取る。
「身体はもう大丈夫なの?研磨くん」
「うん…平気」
「それなら良かった。
無理はしないようにね」
「うん」
時間的に余裕ないし、走って行こうかな。
決して短くはない道のりを超えて行く。
身体の調子も戻って来たかな、身体が軽い。
「すぐ作らないと間に合わないかな」
なんとか時間内に戻って来ることが出来た。
「柏木、お前少し試合出てみろ」
「は?」
また何をバカなことを…。
「コーチ、寝言は寝て言ってください」
「寝言じゃねぇよ‼︎
音駒と梟谷の監督達と話し合ってそう決まったんだ。
出ろ、お前に拒否権はねぇぞ」
「…分かりました」
なんか納得いかないけど。