第16章 尊敬
翌朝。
閉ざされたカーテンの隙間からわずかに漏れる明るい光で目が覚めた。
「今何時だろ…」
研磨くんは大丈夫だったかな。
今日は夕方に解散予定だから昼食までで良いんだったよね。
のっそり布団から起き上がり、携帯とお財布だけ持って部屋を出る。
「あ、おはようございます。柏木さん」
「おはようございます」
エプロン姿の武田先生がそこに居た。
「昨日はすみませんでした。
何もかも任せきりで」
「いえいえ」
「お詫びと言ってはなんですが、朝食は柏木さんの好きなものをリクエストしてください。
なんでも作りますよ!」
「リクエスト…ですか」
どうしよ。
「…じゃあバテ防止のものをお願いします」
「バテ?」
「昨日色々あったんで」
「そうですか、分かりました。
柏木さんは少し休んでても良いですよ」
「え、でも…」