第15章 看病
しばらくして、もう大丈夫そうな様子だったので部屋に戻ることにした。
「お、戻んのか?」
「はい」
「んじゃ送るわ。
足元暗いから気ぃつけろよ」
「…黒尾さん、どこか頭でも打ちました?」
「は?」
「それとも何か変なものでも食べました?」
「何言ってんだ、お前」
「黒尾さんが人の心配出来る人だなんて…知りませんでした」
「失礼だな」
「そうですね」
部屋へ向かう廊下での会話。
「お前、友達少ねぇだろ」
「はい」
「その性格じゃあな、無理もねぇ。
お前と研磨ってなーんか似てんだよな。
だから放っとけねぇ」
「黒尾さんは過保護ですね、研磨くんに対して」
「だって俺が連れ出したりしなきゃ、あいつずっと部屋にこもりっぱなしだろ。
あいつももっとバレーのこと好きになってくれりゃ、うちも更に強くなると思うんだが。
居ないと俺が困るからバレー続けてる、なんて言うんだぞ?」