第15章 看病
「波瑠。
別に言ったって良いだろ。
ここに “ あの人 ” が居る訳じゃねぇんだし。
似た性格の奴も居ねぇし。
月島なんて “ あの人 ” に比べたらガキみてぇなもんだろ」
「ガキ…ね」
「へぇ。
私の前でその名前出すなんて、良い度胸してるよね。
ねぇ…?」
ニッコリと微笑を浮かべてはいるが、目は全く笑っていないどころか、据わっている。
「げ…やべ」
影山が人知れず冷や汗を流す。
「すぅ…はーっ…」
目を瞑り、一呼吸置く。
「確かに単体で “ あいつ ” より怖い人なんてここには居ない、か」
それでも感情を表に出さないようにしないと。
「実はなんですけど、寝る場所がなくて困ってるんです」
「おいおい、それ大事なことだろ」
「どうすんべ?今日の寝床」
「梟谷のマネージャーさんには、烏野の部屋に泊めて貰いなよって言われて」
ついでに彼氏も作っちゃえ、とウインクされた。