第6章 書類配りIV
十番隊に向かう途中、歩いていると突然後ろから肩を掴まれた。
「…いきなり何ですか」
不機嫌そうに振り返れば、そこには4.5人の男達が立っている。
「ちょっと付き合えよ」
「嫌です」
「てめぇに拒否権なんかあるわけねぇだろ」
「……………」
「そう警戒すんなって」
「俺達と少し遊ぼうぜ?」
ニヤけた笑を揃える男達に溜息を吐く。
「(これは俗に言う…アレだな。)」
大人しく着いて行けば、使われていない倉庫があった。古びた外装は壁に蔦が這っており、誰も近寄らなさそうな雰囲気を感じる。
「おら、入れよ!」
ドンッと思いきり背中を突き飛ばされ、四つん這いで地面に膝をつく。後ろから男が髪をガッと鷲掴み、痛みで一瞬顔をしかめた。
「おいクソ野郎…お前何でまだ護廷にいんだよ。消えろっつったろ?」
「てめぇがいると桃香ちゃんが安心して過ごせねーだろうが」
「空気読めよKY野郎」
「(知るか。)」
つーか女の子の頭を…
流歌は苛立ちを募らせた。すると掴んでいる髪をぐっと引っ張り、男は顔を近付ける。
「なんだその顔は?あ?」
「(息が臭いんだよ。)」
ギロリと睨みを利かせると男は舌打ちをして顔を離す。
「チッ…生意気なんだよ!!」
ガッと腹を蹴られ、顔を歪める。
「ゲホッ!」
地面に身体を丸めて縮こまるように伏せる流歌を男達は満足げに見下ろす。
「ハッ、いい気味だ」
「(こ…んのっ!)」
いつかぶっ飛ばす!!
「あんま派手にやり過ぎるなよ。傷でも残って総隊長に知られると厄介だ」
「あぁ、まだ処分されたくないからな」
「(もう遅いんだよバカ共。)」
「だがコイツは桃香ちゃんを傷付けたゲス野郎だ。このまま無傷では帰せねーな」
「コイツもここに連れて来られた理由ぐらいは勘付いてるだろ。なァ…神崎!!」
ゴスッ!
「ぐっ!」
「はは!もっと痛がれよ!」
「う、ぐ…っ」
「まだへばるなよ。すぐ気ィ失っちまったらオレ達がつまんねーだろうが!」
ガスッ!
「(っ、マジで容赦ない…ッ)」
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