第18章 ヒャクネン ト サイカイ
「黒崎一護がダメなら後回しにして先にあの女連行してこいや!!」
「もっとイヤや!!」
「何でや!?」
「当たり前やろ!?あいつを強制連行なんてそない恐ろしいこと出来るかい!!自分から死にに行くもんや!!」
「ヘタレか!!あんたなんか死んでもええわ!!」
「ヘタレでもいいですぅ!!ちゅうか死んでもええてどういうことや!!まだ死にたくあらへんわ!!」
「だったら弱み握って脅してこんかい!!」
「弱み?何やねん?」
「あいつの弱みなんて一つやろ」
ひよ里はニヤリと笑んだ。
「高峰人質に取ったらええねん」
「……………」
「そしてこう言いや。『言うこと聞かへんかったら高峰を抹殺する。オマエの世界で一番大事な奴を地球上から消す』ってな」
得意げに胸を張るひよ里だが、それを聞いた平子は驚きで口を開け、顔からは血の気が引き、青ざめている。
「アホか!?それこそホンマにブチ殺されるわ!!高峰消す前に俺が地球上から抹殺される!!高峰絡みになると怖いねんあいつ!!」
「あんな女に怯えてどないすんねん!!」
「オマエは知らんからそんな残酷なことが平気で言えるんや!!」
「高峰を拉致ることの何が残酷やねん!!」
「普段はええ奴やけどな、自分の大事なもんに手出された時のあいつの怖さは尋常じゃない!!味方だろうが容赦ないねん!!それをひよ里は知らんやろ!?」
「知らんわそんなもん!!」
「あいつを敵に回すのだけは絶対にイヤや!!」
「ワガママ言うなや!!」
「ワガママちゃいますー!!本気で恐ろしいんやて!!ちゅうかそんなん言うならひよ里が連行したらええやん!!」
「あの女連行すんのはあんたの役目やろ!!」
「ええ!?そんなんいつ決めたん!?」
「今や!!」
「無茶苦茶な!!」
先程よりも激しい口論になる。
「…見つけた」
「…織姫チャン…!」
「…黒崎くんや梨央ちゃんに訊いてもきっと二人は『何でもない』って答えると思うから…あなたに直接聞きに来たの平子くん。あなた達…何者なの?黒崎くんを…梨央ちゃんを…どうしたいの?」
「…はっ、そないなもん訊かれてサラッと教える思うてんのか?」
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