第18章 ヒャクネン ト サイカイ
「すげぇだろ。斬魄刀の巨大さは即ち霊力の巨大さ。おまえのその小物のような小刀でオレの刀に勝てる筈がない!」
「余程自分の強さに自信があるんだな。だが虚勢を張ってるだけじゃないのか?」
「何だと?」
ニヤリと笑み、虚を挑発する。
「キミは本当に強いのか?まさか…口先だけじゃないだろうな?」
「貴様!オレを愚弄するのか!?」
「(簡単にノったな。)」
「オレは強い!貴様をすぐに殺す事だって容易いんだぞ!!」
「じゃあ殺してみろよ。そして私に証明させてくれ。キミが虚勢じゃなく、本当に強いんだということを。」
“まぁ無駄だと思うがな”
「調子に乗るな死神ィィ!!!」
剣を横に構え、勢いよく振り切るが…
「どこ狙ってる」
刃が触れる寸前で瞬歩で姿を消し、いつのまにか破面の背後に立っていた。
「なっ!いつの間に!?」
「ふぅ…やはりただの虚勢だったか」
呆れるように溜息を吐き捨てる。
「今度はこっちから行くぞ」
ゾワッ!
鋭い眼光に睨まれ、ぞわりと背中が粟立つ。青い眼が冷たさを滲ませ、斬魄刀が光を帯びる。
「実感しろ。キミと私の強さを。」
ほんの少しだけ霊圧を上げた。
ドンッ
「!?」
空から押し潰されそうな感覚に襲われ、破面は息苦しさを覚える。
「何だ…この霊圧は…!?」
梨央の放つ霊圧に“あてられ”、苦しそうに顔を歪ませる。それを気分が良さそうに見つめる梨央の口許が愉しそうに笑う。
「少し霊圧を上げたくらいで簡単にくたばるなよ」
「!!」
「自分から吹っ掛けた喧嘩だろう?私は喜んで受けて立つ。逃げも隠れもしない。だから…あまり私を失望させてくれるな」
「…良いだろう。死神でも破面に勝てないって事を思い知れ!!」
息苦しいまま刀を振り上げた破面は無表情にこちらを見上げる梨央に向けてその刃を振り下ろした。
「鈍い」
呆れた溜息と共にゆっくりと刀を持ち上げ、敵の剣が迫り来る前に斬り裂いた。
「思い知るのはどうやらキミの方だったらしいな。虚(雑魚)が死神(私)に勝てるわけないだろ」
虚の血で汚れた刀を振って鞘に戻した。
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