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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第18章 ヒャクネン ト サイカイ




現世───空座町。



「今日は転校生を紹介するぞー」



担任教師の越智美諭が気怠そうに言う。それを合図に教室のドアが開き、一人の少女がにこやかな笑みで教卓の前に立った。



「(第一印象大事!)」



生徒達の視線が一斉に梨央に注目する。こういう場に慣れている為、人見知りによる緊張は無かったが、素を出して“ぼっち”になってしまうのを避けるべく、『空気』というものを読んだ。



「仁科梨央です」



彼女が声を発すれば、彼方其方から“綺麗な声”“透き通るような声”、将又“アイドルにいそうな声の持ち主!!”と興奮気味に語る生徒もいた。



「最近まで海外に住んでいました。日本の文化や習慣には疎い部分があります。私としては友達100人目指してるので気軽に話しかけてください」



最後に冗談を交えながら自己紹介を済ませると拍手が送られた。越智に指定された席に向かって歩くと隣の席の少年と目が合う。



「やぁ、隣の席はキミだね」



「黒崎一護。よろしくな」



「(黒崎…?)」



名前に違和感を覚え、彼の顔をじっと見る。オレンジ頭の少年も見つめられ、不思議そうな顔を浮かべていた。



「もしかして…一心さんの…」



その少年の顔は



昔、“死神として生きる事を断念した”



あの人の面影に良く似ていた



「(あぁ、やっと…)」



小さく笑い、一護の手をガシッと掴む。



「──やっと会えた!」



「!?」



「そうかそうか!キミが黒崎一護くん!」



周囲の目を気にすることなく、嬉しげに一護との再会を喜ぶ。突然手を握られた挙句、謎のテンションで一人盛り上がっている梨央を見て驚いたのか、一護は唖然としていた。



「道理で父親の面影があると思ったよ!キミと同じ学校に通えるなんて嬉しいなぁ!」



「つーか手!いつまで握ってんだ!」



「ねぇねぇ!いっちーって呼んでもいい?私のことは気軽に名前で呼んでよ!」



「だから手離……」



「これから仲良くしようね!」



「……おう。」



何を言っても無駄だと理解したのか、手を振り払うことをやめた。一護はチラリと梨央を見上げる。



「(…つーか、よく見るとめっちゃ美人じゃねーか。)」


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