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✱でもきっとハッピーエンド✱【BLEACH】

第16章 トモダチ ト ナカナオリ




「だァから嫌いなんだよ…弱い奴はよ」



深い溜息を吐き捨て、何処からか出した剣を握り締め、ニヤリと笑んだ顔と共に後ろを振り向く。



「(くそ…選択を誤った!!
こいつ…まさかとは思ったが…)」



扉に向かって走る悠人の顔に焦りの色が見て窺える。そしてドアノブに手を掛けようとした、その時だった…。



ドスッ



突然襲った腹部の痛み。目を見開き、悠人は顔を下げ、視線を腹部へと落とす。



そこからあり得ない物が貫き出ている。



「ガハッ…!」



「お兄様!!?」



ドバッと血を吐き出せば地面に飛び散る。



「いやあああ!!」



悲鳴に近い声で叫ぶ桃香。悠人を刺した男は剣を引き抜く。その場に膝をついて崩れ落ちた悠人は腹部を押さえ、苦しげな表情で男を睨みつける。



「テ…テメェ…」



「まだ喋る余裕があんのか。もっと深くぶっ刺せば良かったか」



悠人の血で汚れた剣を払う。



「あんた何すんのよ!?」



「何って殺そうとしただけだ」



「ハァ!?」



「弱い奴が生きてても弱いままだろ?だから弱者は黙って強者に殺されろ」



「ふざけんじゃないわよ!!!」



「ふざけてねぇよ」



「此処から逃がしてくれるんじゃなかったの!?」



「逃すとは言ってねえ。俺は“助けてやる”って言ったんだぜ。そうすれば安心だろ?」



「あんた…まさかそういう意味で…」



男が悠人に言ったあの言葉の本当の意味を理解し、桃香は怒りで顔をしかめる。



「どうしてよ…アンタも護廷に恨みがあるんでしょ!?殺したいほど憎い奴がいるんでしょ!?アタシ達の目的は一致してる!!殺し合う理由はどこにも…」



「俺がいつ護廷に恨みがあるなんて言った?」



「え、だって…」



「“護廷の奴が憎い”なんて一言も言ってねぇよ。そいつが勝手に勘違いしただけだ。俺が殺したいほど憎い相手は…護廷にはいねえ」



「…………」



「俺には壊したいものがある。その目的を果たす為なら世界だって敵に回してやる」



男は剣を頭上高く持ち上げる。



「残念だったな。最初からお前らと協力する気なんかねえよ。だからさ…死んじまえ。」



ニヤリと歪んだ笑みを張り付けたまま、男は勢いよく剣を振り下ろした。


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