第23章 『五月雨の夜。』嶋田誠 R18
ーーーーーー
「ほーら。起きろって。」
とんとんと肩を揺さぶられ目を開けると、嶋田さんはソファベッドの縁に座りタバコを吸っていた。
『しまだ…さん?』
「ん?煙たい?」
『大丈夫。煙草…吸うんですね?』
そう言うと嶋田さんは携帯灰皿に煙草をしまった。
「ん。たまーにな。体、しんどくない?」
『…大丈夫…です。』
「じゃあさ、腹、減ってない?おじさん、久しぶりに頑張っちゃったからもうぺっこぺこ。」
そういえば、夕飯は家で食べるつもりだったからすっかりお腹が空いている。
『お腹…空きました。』
「じゃあ、着替えして?食べに行くよ?」
そう言う嶋田さんの横をすり抜けカバンを開くと、私は着替えを取り出す。
「…ん?」
不思議そうな嶋田さんを横目に見ながら、私は先ほどまで身につけていた黒の下着を身につけ、カバンから取り出した黒のオフショルダーのブラウスとショートパンツタイプのサロペット。
そして、ニーハイを身につけると、白のパーカーに袖を通す。
「え?着替え…」
『そりゃあ…雨にぬれるんですから…着替えは準備しないと…』
目線をそらしそう言うと、嶋田さんは私を後ろから抱きしめた。
「夏乃…ちゃん…?」
いつもより低い声。
これはごまかせない…
『…ごめんなさい…
雨に濡れたのと下着が透けてたのはわざと…です。』
尻窄みになっていく私の声。
怖くて後ろが見れない…
「お仕置き。」
その声とともに吸われる首筋。
ぢくりと痛みが走り身体がビクついたのに気づいた嶋田さんは吸いついた部分をひと舐めすると唇を外した。
「これ隠すの禁止…な?」
嶋田さんは自分の首元をとんとんと指で叩くと、さっさと休憩室を出ていってしまう。
と、思ったら入り口から顔を出してにやりと笑う。
「”この後”もっとつけるから覚悟しておいてよ?」
『…っ…!はいっ!』
この後…どうなっちゃうのかな。
ふとしてしまったHな妄想を頭から振りはらい、私は嶋田さんを追いかけるようにして休憩室から飛び出したのだった。
end