第11章 『俺の年上カノジョ。』灰羽リエーフ R18
「夏乃さん?夏乃さんってば。」
行為が終わってから夏乃さんは俺とは反対側を向き、言葉を発しない。
「俺ばっかり気持ちよくなってごめんなさい…」
そう、言葉を発すると、夏乃さんは布団で顔を隠しながらくるりとこちらに顔を向け、目だけをこちらに向ける。
『ちゃんと…私も気持ちよかった…』
「っ!夏乃さんもう一回!」
嬉しい言葉に上半身を起こして飛び付けば、夏乃さんは布団の中に逃げる。
「夏乃さんちゃんと聞かせて?」
布団を剥がそうとすると、観念したのかもぞもぞと動き、俺の腰に腕を回すと上目遣いでこちらを見る。
『本当は余裕なんてないし…
でもリエーフのが年下だから、大人っぽくしなきゃとか、ガツガツいったら嫌われちゃうかなとか…考えちゃったり…』
「夏乃さん…」
そう言う夏乃さんはすごく幼い顔をしている。
そっと髪の毛をなでれば気持ちよさそうに俺の手に擦り寄る。
『それに、Hも…
リエーフもしたいんだって分かったら止まらなくて…
はしたない…よね…』
恥ずかしそうに頬を染めながらそう話す夏乃さん。
俺は布団の中に手を伸ばすと、夏乃さんを引っ張り出す。
「俺、どんな夏乃さんも好きっす。
今日、会ってからずっと俺ばっかりヨユーないのかなってずっともやもやしてたんですけど…」
『そんなこと…ない…
頑張って大人っぽく見せてるだけで…私だって余裕なんて…ない。
リエーフ、格好良いから他の誰かのところに行っちゃわないか、いっつも不安だし…』
真っ赤な顔
困ったように下がる眉毛。
いつも以上に幼く見えるのはメイクをしていないってだけではない。
「夏乃さん可愛い…」
そういうと、夏乃さんはさらに顔を真っ赤に染めた。
『リエーフの方が可愛い…』
男に可愛いとか…
ちょっとムッときた俺は、また夏乃さんを押し倒す。
『リエーフ…?』
「可愛いなんてもう言わせませんよ?」
もう一枚残ってますしね?
そう呟くと、困ったように下がる眉毛。
でも瞳は期待でギラついてる。
そんな夏乃さんの目尻に俺はそっと口付けた。
『大好きっすよ…?夏乃さん』
end