第22章 VOID-からっぽの-　

「蛍！何言ってんだ？」

「ツッキー！？待ってよ！
姫凪ちゃんが
この変な奴に意地悪されるよ！
連れて行かなきゃ！」

叫ぶソバカスの子を押し退けて

私の前に立つ

「………かっこ悪っ。
キミは姫凪じゃない。
誰だよマヂで？
僕の知ってる姫凪は
チビてバガでガキだけど
嫌な事はイヤって言う
オドオドしても
ビビってもチャント
目を見て話して
頑張ろうとするんだよ

こんな奴らに逆らえない
弱虫じゃない
だからキミは連れて行かない。

チャント思い出すまで
帰ってこなくていい

アニキも。
姫凪一人護れないなら
帰ってこなくていいからね

行こう？山口。

じゃ、ガキは失礼しまーす」