白昼夢第2幕【太陽の出づる場所】月島明光[®18]
第20章 TINY-ちっぽけな-
まだ違和感ある笑顔
「……ん。分かった
明日用事が終わったら
連絡して来いよ
俺、休みだから
ドライブ行こう?
親居て
二人が気まずいなら
蛍も忠も誘おう
皆で連れ去りに行ってやるよ
姫凪が行きたがってた
動物園行こっか?」
『うん!行きたい!
一緒に居たい!』
あ…いつもの笑顔……
良かった。
姫凪に微笑みを返し
家まで送り届けた
結局、次の日
姫凪から連絡は無かった
魔女の罠は
静かに確実に
俺らを蝕もうとしてた
抱いた場所が
明るい部屋の中なら
お前に付けられた傷に気付けたのに
俺は結局
何も救えないまま
癒せないまま
お前の手を離してしまった
ゴメンな。