第2章 過去
【壊れていく関係】
ご飯を食べ終わり片付けをしてると
「ねぇ、僕がやっとくから
アニキに送って貰ったら?」
蛍くんが
泡だらけのスポンジを取り上げた
そうだ、マダ蛍くんに言ってない
『…泊まっちゃダメ?』
そのまま蛍くんに視線を移す
「いつも帰るのに、珍しいね」
蛍くんは返事に困って少し
迷惑そうな顔してるように見えた
どうしよう
強引に居座ったら
嫌われちゃうかな?
とか思いながら
蛍くんを見上げたまま
喋れないでいると
「キミさ………」
蛍くんがイライラした声で
話しかけてくる
怒ってる!?
「姫凪ー!風呂入ってこいよ?
お前が入ったら俺も入るー」
明光くんが咄嗟に割り込んできて
くれたけど
蛍くんの顔は険しいままで
不安は膨らんでいく