第2章 過去
三人で席につきご飯を
食べてると
「あ、スマン。電話だ。
先食ってて」
明光くんが慌てた様子でリビングを出た
『ね?蛍くん?』
「ナニ?」
『オイシイ?姫凪のご飯』
「いーんじゃない?」
相変わらず薄いリアクションに
『作りがいないなぁ…』
なんて苦笑い
「…不味かったら食わない」
『だよねー?』
ま、こんな物言いも
蛍くんらしいかな…
とか思ってたら
「あー、もう。美味い美味い!
いい奥さんになるんじゃない?!」
蛍くんが真っ赤な顔して
私の頭をグシャグシャと撫でる
え?蛍くん?
蛍くんに褒められるとか
意外すぎてビックリしちゃって
それがさっき私を
泣かしそうになった事への
フォローだと気づくまで
しばらくかかった