第2章 過去
『今日は先に行ってる』
蛍君を置いて早足で歩く
追いかけてもくれない
蛍くん
昔はもっと優しかったのに
って思うと
なんだか自分だけが
時間軸から外れてる気になって
また一人ぼっちだって
思いが溢れてきて
胸が苦しくなった
とにかくその時の私は
今思えば勝手な都合で別れたのに
悲劇のヒロイン気取りの
ウザい女だったんだと思う
朝の一件以来
蛍くんの側にはなんか
行きづらくて
でも【いつもの位置】に
自分が居ないのが
不安で不安で仕方なかった
私の唯一好きだった場所
それがなくなったら
私はどうなっちゃうんだろう
その時リアルに
怖くなった