第2章 過去
『明光…引っ越し決まったら
別れよ?』
出来るだけいつも通りに
振る舞った
「え?なんで?」
『姫凪遠距離なんて無理だよ』
「同じ圏内だぜ?」
『遠いよ』
もういつもと同じ三人で
歩く朝は来ないじゃん
「いつでも会えるのに?」
『会えないよ』
【いつでも】は【いつも】
じゃないもん
「姫凪が会いたくなったら
駆けつける…」
『待てないよ、そんなの』
寂しくて死んじゃうよ
明光くんは間に合わないよ
「俺の事もう好きじゃないの?」
『普通だよ?』
うそ。本当は誰よりも大好き
でも1人にされる寂しさを
味わうくらいなら
私から…