第2章 過去
そんな私の唯一の安らぎの場所は
家からすぐ近くの
【月島家】
両親と一緒に住んでいるときから
よく遊びに行っていた
同じ年の蛍くんとそのお兄ちゃんの
明光くんといつも3人で遊んでた
おじさんとおばさんも
私を可愛がってくれて
私にとっては
おじさんとおばさんが本当の
両親みたいに思えた
「姫凪ー!バレーしよーぜ!」
いつも明光くんが庭でバレーボールを
触ってて
私を誘ってくれる
「姫凪はチビだから無理じゃない?」
そこに蛍くんが割り込んできて
背の低い私の頭を叩きながら
意地悪を言って
『蛍くんのバーカ!メガネー』
「メガネ関係あるの?」
『なんとなく有るの!』
「バカな子の発想とか理解に苦しむー」
『姫凪バカじゃないもん!』
なんて言い合いが始まると
「二人共仲良くな〜!
ほら遊ぼうぜ〜!」
明光くんが笑顔で止めに来る
その時の私にとって明光くんの笑顔は
精神安定剤みたいなもので
それを見れるだけで
辛い事も嫌な事も全部リセット出来た
私もあんな笑顔で居たいって思った
彼女だった時間は
ほんのチョットだったけど
私は明光くんが
ずっとずっと大好きだった