第3章 些細な変化
『ほんと?』
「ホントホント』
『よかったぁ!蛍くん!大好き!』
布施が僕に抱きつく
相変わらず小さくて柔らかい
「はいはーい。聞き飽きたー」
なんて言ってみるけど
確実に数日前とは違う
触れられる事が嬉しいし
この感触を独り占めにしたいし
もっと僕も触れたい
「眠くなったら言いなよ?」
布施の頬にそっと触れると
『はぁい♫』
警戒心の欠片もない笑顔が
返ってきた
きっとコイツの中で僕は
小さい時のまんまで
疑う事すらしないんだろうな
僕がキミに抱いちゃってる
邪な気持ちとか
気付こうともしないんだろうな
それが得なのか損なのか
微妙な所だけど
僕の隣に迷いもなく
来てくれるなら
ま、得なのかな