第3章 些細な変化
『うん…』
「布施?」
いつもならここで
[だよね!蛍くん大好き!]
とか言って抱き付いて
くるはずなのに
『早く大人になんなきゃね?』
なんて。大凡布施の
言葉っぽくない
「子供の自覚あるんだ?」
『ん?うん!あるよ!だから…
ごめんね?蛍くん』
布施が僕を見上げる
「なにが?」
『嫌な思いさせて。チャント
謝らなきゃって思ってたの
頑張るから…もう少し待ってね?』
布施が何を言ってるかわからない
いつも手に取るようにわかってた
気持ちが急にモヤの中に
隠されたように
見えなくなった