第1章 アニキの元カノ
「僕とは喋んないんじゃなかった?」
『あ!もう!蛍くんー!!』
はぁ?僕のせい?君が勝手に
決めたルールを君が勝手に
破っただけでしょ?なのに…って
「もう、面倒臭さい…」
『蛍くん?なんか怒ってるの??』
布施が
僕の袖口に手をかける
小さい布施は嫌でも
見上げる形になる
まぁ女子なら誰でもだけど
「なに?」
『怒ってるの?ごめんね?』
ホント小さい子供なの?
そんな泣きそうな顔されたら
「別に?怒ってないけど?」
こう言うしかないじゃない
『ほんと??』
「うん」
『ほんとーーーに?』
「だから、うん。て」
『ほん………』
「布施しつこいから」
『わーい!いつもの蛍くんだ!』
いや、バカでしょ?
シツコイって言われて何喜んでんの?