第3章 些細な変化
コイツはアニキが好きだったんだ
兄弟でもタイプも違うし
性格も正直、正反対だし
でも…もしかしたら……とか
思うのは
『蛍くん!かーえろ?』
コイツがこんな無邪気に笑うから
僕の側に必ず戻ってくるから
「はいはい。行くよ」
少し暗くなって来た道を
二人で歩く
『ねぇ、蛍くん?』
「何?」
『あのね…姫凪のとこの
お手伝いさんがね…しばらく
帰ってこれないみたいなの…』
布施が口を開く
「ん?だから?飯作れるでしょ?」
『あ、うん。そっちは問題じゃないの
えーっと…その……』
なんか嫌な予感がする
「まさかキミ………」
『今日も一緒に寝ちゃダメ?』
ほら来た!なんなの?!
「だからさ、一緒に寝るのが
どういう事かわかってるんでしょ?」
これ誘ってんの?
なんかされても良いとか思ってんの?
…思ってるわけ無いか。
逆に何にもされないとでも
思ってるんだろうな