第8章 見えない瞳 #日向順平
日向side
『すみません先輩…っ!!』
目の前には、深く頭を下げる。
そして、壊れた俺の眼鏡…
「おま…ちょ…」
絶句とはまさしくこのことだ。
いきさつを話すなら、簡単だ。
俺が汗を拭くために、置いていた眼鏡をが踏んだのだ。
それは美しいと表現するしかない見事な破壊音で。
『スペアとか、コンタクト無いんですか?』
「それが、今日に限って持ち合わせてない」
なんと不運なことか。
緑間じゃないが、俺もおは朝チェックするかな…
「今日は練習できねえし、もう帰ろうかな」
流石に、眼鏡がないとボールも分からない、人も認識できない。
『そう伝えておきました。私も先輩を送るので、今日は帰ります』
声音からして泣いているのか、震える声が聞こえる。
「いや、眼鏡くらいスグ直せるし、あんなところに置いてた俺も悪いから、そんな怒ってねぇよだから泣くなって」
『いや、先輩眼鏡無いと顔薄いなって。笑ったら失礼かと思って』
「今のほうがだいぶ失礼だな?!」
冗談です。と笑い、彼女は俺の目の前で着替えだした。
「ちょ…」
『どうせ見えてないんでしょう?』
いやあまあそうだけど。そういうことじゃなくて。
言ってしまうと、逃げられそうで、言えなかった。
俺は頭を抱え。に背を向け着替える。
眼鏡はなくても、胸ははっきり見えた。でかい。