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誰も知らない。【気象系BL】

第10章 Fall to darkness… 


飲みながら目線をニノの方にやると
泣きそうな顔で笑ってた


「必然的に泊まりじゃん」

「ダメだった?」

「んーん。いーよ」


ニノの隣りに座り
髪をクシャと撫でた


「犬じゃないんだからさぁ」


…あぁ、良かった。
少しは気持ち、柔らかくなったみたいだ

ソファーの上に女の子座りしてさ
弱いくせに山ほどビール煽ってさ


「も、そのくらいにしとけよ?」


俺が来たから
もう酒に頼ることないだろ


「…ん。」


頭を俺の肩に預けてポツリ、ポツリと話し始めた





「結婚、したんだってさ…」


「…そっか、」


許されることのなかった、ニノの恋
随分昔の話だけど
本気で好きだったのを知ってるから
『元気出せよ』とか
『もう忘れろよ』なんて
簡単なことは言えなかった



「もう、皆そんな年齢だよね
俺らは無理だけどさ…」

「あー…」


「翔ちゃんどーするの、結婚」



すっかり忘れてた
結婚どころか、俺、


「別れた」

「…え? いつ…?」


「さっき。」

「はぁっ?! なんで? だって、翔ちゃん…」



…考えてたよ、彼女との結婚。
細心の注意を払って
引き裂かれることのないように
努力を重ねてきた



「サプライズで会いに行ったらさ
知らない男と寝てたんだよね」


ニノは絶句して
口を開けたまま暫く固まっていた
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