第3章 嫉妬 × Purple。
日毎に大きくなっていく
ニノへの想いと
支配欲。
そんな時
俺にもチャンスが巡ってきた。
先輩たちとの飲みの席で
悪酔いした太一くんが隣りの席のニノにガンガン酒を勧めてる。
決して強くもないのに
注がれた酒は飲まなきゃと
ニノもペースを上げてグラスを空にしていった。
「ちょっと、トイレ…」
ニノの顔色が悪い。
間違いなく吐くな、と思った俺は
ニノが席を立ったその少し後
追いかけるように席を立った。
やっぱりな。
トイレの個室からニノの苦しげな声が聞こえる。
― ドンドンドン! ―
「ニノ! 居るんだろ?!わかってんだぞ!ここ開けろ!」
扉が開くと
白い肌に青さが増したニノが
トイレの床に座り込んでいた。
「じゅんく…」
「大丈夫か? 吐けたか?」
ニノが首を小さく横に振る。
「悪いな、ちょっと手荒いことするけど、」
ニノの口の中に二本の指を突っ込んで舌を押え
背中を擦った。
「吐いちゃえよ。 楽になるから」
「うっ…!」
自分の手が汚れることなんて
どうだってよかった。
そのまま肩を貸して洗面台まで歩き
手を洗ってから掌に水を掬い
ニノの口に持っていった。