第3章 嫉妬 × Purple。
それから
収録をストップさせることはしなかった
別に機嫌が治ったわけでも
良い人キャンペーンに乗り換えたわけでもないけど
アイツと目が合うと
ニコッと笑ってくれたから
嬉しかったから
あぁ、やっぱり俺
ちょっとだけ機嫌良くなってんじゃん。
「お疲れ様でしたー!」
撮影終了の合図と共に
むねがニノに駆け寄る。
なんだよ
ナイショ話なんかしちゃってさ。
「お疲れ」
早く帰ろう、と早足でスタジオを出ようとした時
衣装の裾をグッと引っ張られた。
振り返ると誰もいない。
「ねー、ねー。 じゅんくん。」
視線を落とした先に居たのはむねで。
「何?」
俺はその場にしゃがみこんで
むねと目線を合わせる。
俺にもナイショ話をしようとしてるから
耳を傾けてやった。
「じゅんくんはだれがいちばんしゅきでしゅか?」
「は?」
「おちえてくだたい♪」
「え、と…」
「にのみやくん?」
へ…?