第14章 Triangle
どうしてこうなった
今
俺のベッドの横には
裸の翔くんがスヤスヤと眠ってる
言葉で言わない代わりにと
翔くんは俺にキスをした
震えていた柔らかな唇
潤んだ瞳
それだけで…
翔くんの心の内を察するには充分過ぎる程だった
好きなのは まぁなのに
まぁだけなはずなのに
今、隣りで眠る翔くんの横顔を愛しいと思う
どうしちゃったんだ、俺…
男を抱くのは初めてだった
もちろん翔くんも
抱かれるなんてこと、初めてなんだろう…
「んー…」
身捩いだ翔くんがゆっくりとその瞳を開けて俺を捕らえる
「おはよう、潤」
「ん…。おはよう…」
フワッと微笑う翔くんに
不覚にもドキリとした
「あ…俺だけ裸…」
「や、俺もさっき着たとこ…」
なんの説明だよ
「そっか…」
今度は安心したように
柔らかく微笑う
またドキリとした
「翔くん、あのさ…」
「謝んなよ」
「え…?」
「後悔してないから、謝るな…」
「翔くん…」
思わず翔くんを抱きしめて
心の中で
『ごめん』
と呟いた