第7章 最初で最後のコンサート
「松本くん?」
部屋の前で呼びかけてみる。
返事はない。
「二宮さん、いっぱい泣いてたよ。
いっぱい泣いたから、もう大丈夫。」
カチャ
ゆっくりとドアが開いた。
松本「俺のせいなんだ。ニノが怪我したの。
俺が…俺が…。俺が強風なのに
やろうって言ったんだ。せっかく場所取れたからって。
俺のせいで…!」
松本くんは、自分が決行の合図を出したからって
苦しんでたんだ…。
「松本くんのせいじゃないよ?
機材が倒れちゃったのだって、誰のせいでもない。
自然は予測不能だから、ね?
自分のこと責めないで…。」
きっと下の階にも話が聞こえたんだろう。
車を置いて戻ってきた櫻井さんが、
櫻井「松潤、おいで。」
と優しく言った。
私と松本くんは下に行く。