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第25章 収束への旅路


『あ…、ッ…ちが、……そ、なこと…蝶、知らな…っ』

「…俺は好きだけど?お前のこと…一人の女として」

見開かれる目はとても綺麗で、小さな姿なのにやはり俺を魅了する。

彼女の隣へ移動してから髪に指を通すとようやくそれに気がついたらしく、ピクリと肩を反応させた。

『な、に言って…、……蝶、こんな身体で…』

そんな身体にしたのは…他の誰でもないこの俺だ。
こいつを最後に殺したのは、紛れもなく俺なんだ。

「…俺はお前のこと、初めて見た時から女として一目惚れさせられてる人間なんだよ…お前はどうなんだ?……俺のこと、好きか?」

『あ…、そ、なことばっかり、言って……私、より弱いくせに…ッ、私より先にいなくなって置いてっちゃうくせに、なんで私のこと大事にす____ッ、ん…っ!!?』

ヤケになってよく喋るようになるのは相変わらずだ…しかし、当時の俺が救ってやれなかった小さな蝶の気持ちは相当な強さだったのだろう。

いくら自身の存在を認識しづらくなる身体とはいえ…いくら能力の効果で思考までもが身体の年齢の脳に支配されてしまうとはいえ。

塞いだ唇を離せば、今よりもずっとずっと息の持たない蝶が必死に呼吸を繰り返す。
薄く開いた当時の唇でさえもが俺を惹き付けてやまない。

…お前、なんで俺がお前のことそんなに大事にしてたのかも分かってなかったのか。
大事に思うから優しくしたかった…どうして大事に思うか、分かっていなかった。

愛していると、ちゃんと口にしなければ伝わらなかったこの頃の蝶には…確かに、伝える勇気は無かったはずだ。
当時の俺は、それ以上に蝶にもっと…ちゃんと子供になってほしくて。

「誰が、お前より弱いって?…先に死ぬって、誰が決めたんだよそんなこと…なんで俺がお前のこと大事にするか、言ってやらなかったか?忘れたっつうんならお前、このまま朝までキスし続けんぞ」

『は、ッ…い、いきなり何して…、!?あ、さまで…へ、…ッぁ…っ…、……なん、「忘れたか?俺が…なんでお前を大事にするか」…で、も…中也さん、は蝶より七つも上で……蝶、はこんな、子供…で…』

「…俺が好きでもねえ女にこんなことする奴だと思うのかよお前は」

『…、ッ…だか、ら…蝶まだ、六さ「俺の守備範囲は白石蝶であることだよ、よォく記憶に刻み込んどけ……そんで戻ってこい、俺の蝶なんだろ?」!!!』
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