第18章 縁の時間
『や…ッ、ア……っ、ああぅ…ッ♡』
「ん?嫌?」
『やッ……じゃなっ、ぁ…っ、んぁ♡』
「……キスくれえならいつでもしてやれるから…して欲しいうちに強請っとけよ」
貪るように蝶の舌を絡めとり、少女の特別感じる所を順番にゆっくりと撫で続ける。
そうすれば俺に寄りかかってしがみつき、この少女は、少女から色めいた女へと変貌を遂げるのだ。
「まぁたイきそうな顔してる…」
『へ……ッ?…あ…ぇっ……??』
銀色の糸を伝わせて唇を離すと、トロリとした目で俺を必死に見つめる蝶。
薄く開かれたままの唇は物欲しそうに震えており、彼女の悲痛そうな表情からも気持ちは汲み取ることが出来る。
『……や、めちゃ…やだぁ……っ』
「なんで?キス魔は嫌なんじゃなかったのかよ」
『ぁ……ッ…す……き…っ』
途切れてしまった、震えた声。
本当はちゃんと聴こえていた。
「…なんて言った?もう一回…ちゃんと俺の目見て、言ってみろ」
『……っ…き…す……してッ、…ちゅうやさッ……し、てっ♡キス、好きなの…っ、してぇ…♡』
「おーおー、素直んなっちまって…可愛い」
『ひッ!?…っぁ……♡ぁあ…ッ♡♡』
唇を親指でふにふにと触り、それから人差し指を唾液に絡めて愛撫する。
それだけでも感じるこの少女…さっきあんだけ達しておいてまだこんなに敏感なのかよ。
『ん、っん……!!?♡そっな…ぁッ!?♡それちがっ…ぁ、っあ!!!♡ちがあぁ…ッッ!!!♡♡』
そこから調子に乗って耳の中を舌でヌルリと舐め取り、そのまま首筋をゆっくりと柔らかく舌で愛撫…そうすれば、もう限界も見えてきた。
「違う…?」
『ちがっ…ぁ…ッ!!のに…っ!!♡ちがッ、くな…っなにこれぇっ!!なに、っこれえ…!!!♡♡』
ガクガクと身体中が痙攣し始める蝶。
涙でベトベトになった顔に潤んだ瞳。
…………可愛い奴。
「もう気持ち良すぎて頭も回らねえか?余裕なくなっておかしくなってる時のお前がやっぱり一番可愛いよ…蝶」
『ひぁ…ッ!!♡♡……や、ッ、違…うそっ、こ、なの知らなぁ…ッ、ああぅぁ…ッッ!!?♡ン〜!!ンンンッッ!!!?♡♡♡』
吐息が当たるだけでも敏感に反応するようになった耳元で、声を低くして名前を呼ぶ。
クチュ、と水音を立ててまた舌を吸ってキスをしたら、遂に蝶は声にならない声をあげた。