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第18章 縁の時間


『ね、…いっぱいちゅうして。…指で触られて気持ち悪いの…嫌なの、中也以外の感覚が残って……ッ、!ん…ぅ……っ』

この言いぶりからしてみて、恐らく唇は奪われてはいない…否、必死になって守っていた。
しかし指で触られたとはどういう事だ…?

少女の小さく柔らかな桜色の唇に口付け、少ししてから唇を離す。

「…どこをどんな風に…どうされた?……指って…こうされた?」

ヌル、と指を唇の中に入れてやれば、それに目を見開いて驚く少女。
その反応にさえどこか心が擽られて、あたたかなその口の中でまさぐるように…優しく撫で尽くしてやるように、指で口内をなぞっていく。

舌や歯茎なんかをなぞると少女の体がビクビクと跳ね、頬も紅潮して恥ずかしそうに目を細める。

『ぁ…へぁ……ッ、は……っぁ…』

「……俺にされたらこんな可愛らしい表情になっちまうのになァ?…好きなところ撫でてやるよ」

『ひぁ…ッッ、はぁ、っあ…ッ♡』

もう片方の手で首に手を添え、耳元で小さくそう呟いてから耳を丁寧に舐めてやる。
まだ耳の中でも一番弱い所に触れていないのに、すぐに感じ始めてどんどん敏感になっていく蝶。

俺にもたれかかりながらも身をよじるように悶え始めた。

「自分から誘っておいてもうギブアップかよ…このエロガキ」

無意識にゾクリとして顔がニヤける。
こうやって俺にいいようにされている瞬間のこいつが可愛くて堪らない…

それからこういう風に俺にたまになじられると、決まってこの少女は良い顔を俺に見せてくれるのだ。

『ふぁ…っ、違、ぁ……ッ!!…っ、やぁっ、違うの…ッッ♡』

昼間から大人の男を誘ってやがる奴のどこが違うってんだ…まあ、こういう知識を与えていったのは紛れもない俺なわけなのだが。

「随分感じてるように見えるんだが?………壁だけ張っとけ、迷彩と防音…お前も嫌だろ、他の奴らにこういう事してんのが見つかんの」

『!!!…ん、……は、い…っ』

お前も、というのも、単純な話。
俺がこんな顔をしたこいつを誰にも見せたくないだけだ…誰にもこの声を聞かせたくないだけだ。

蝶が壁を張ったのを確認してから、いい子だと言うようにチウ、とリップ音を立てて首に吸い付く。
するとやはり甘美な声を漏らしながら蕩ける彼女。

『ひあんッッ!!?…っぁあ……♡』

この声が、堪らない…こんな蝶が堪らない
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