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第14章 わからない人


痛がってるのか感じてるのか嬉しがってんのかなんなのか、よく分からない表情で泣き始める蝶にあたふたしつつ、きつく圧迫される自身に意識を削がれる。

「…ッ、あー……蝶さん?」

『な、何ですか…ッハ、……ぁ…』

「いや、初めてだし仕方ねえかもなんだが…そんなに泣かれてっと、まるで俺が嫌がってるお前を無理矢理犯してるみてえな気分になってくるんすよ」

『お、かし…っ?』

だめだこいつ、なんなんだこいつ。

頭を抱えるように項垂れてため息を吐く。

なんでこんな純粋なんだよ意味分かんねえ…つうか余計にこのせいで興奮してきたじゃねえか、なんてことしてくれんだよ本当に。

これは一発キツイのを教え込んでおいた方が良さそうだ…なんていうのは建前で、ズイ、と蝶と再び額をくっつけて無理矢理目を見つめながら言葉を紡ぐ。

「………俺にいいようにいやらしい事されて、俺のいいようにエロい身体にされちまうってこと」

『!!!?…………ってそれ…今と何が違う………?』

まさかの返しにこっちが反論できなくなった。

いや、全然違………いや待て、記憶がねえだけでこんなやつ相手に俺は何しでかしてたか分からねえぞ。
感度も良すぎるくれえにいいし、やけに中のスポットはいくつか開発されてたみてえだし…

「…お前が嫌なら俺は今すぐにでもやめてやれるけど、無理矢理されたら嫌だろ?相手の了承を得ずに無理矢理するっつうニュアンスだって事だけ覚えとけ……っと、そろそろ慣れてきたか?ちょっとマシになった」

『!……ん…』

「痛ぇのは?」

『………も、もう大丈夫…だと思う』

正常位…が一番蝶にとっては楽だろうとは思うのだが、流石にこのままではベッドの構造上かなりやりにくい。
それに痛みの少なさを考慮すれば後背位というものがいいのだろうが……何せこのお嬢さんは甘えたがりな上に相当な寂しがり屋で怖がりだ、多分そこに今手を出すと本気で泣かれる。

となると、こいつに出来るだけ楽でいてもらい、尚且つ怖がらせねえで済むような方法は…騎乗?……いや、流石に初めてでそれは早ぇか。

つまりは残った方法は一つ…特別密着度の高いもの。
既にそれと近いものにはなるのだが、今よりもちゃんと蝶が楽に、そしてしっかり快感に浸ることの出来るであろうもの。

「…んじゃ、ちょっと動かすぞ」

『ぇ……ッ、!?ふぁ…あ……っ』
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