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風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第41章 『ラブレター』  ~2021.1.27~




静かすぎる音のない部屋…


綺麗に片付けられた
ガランとしたリビングの真ん中に
シルバーのキャリーバックが置いてある。

俺にしては珍しいくらいの大きな荷物で
ニノに見られたら笑われそうだな…(^^;


NHKホールの紙吹雪舞うステージで
俺たちは最後の日を迎えた


何だか夢の中の出来事のような

自分が自分じゃないみたいな

不思議な感覚だった


その日から
毎日が当てもなく過ぎて
何をするという目的もないまま
一か月がたった。

スーパーで明太子買って
朝飯に食べ、
そしたら昼間、
知り合いからジンギスカンが届いた

札幌で食べたな…って
思い出しながら一人で焼いて食べたら
部屋の中、ジンギスカン臭くなった

誰かに話して笑って欲しかったけど
今回はやめといた



みんなの想いがつまった
4通の手紙は毎日読んでた
そしたら端っこがボロボロになった


明日から俺は日本を離れる

一人でbarにさえ行ったことのない俺が
たったひとりで、外国なんて……

翔くんにでもついてきて欲しいくらいに
不安だよ


だけど……

自分をみつけたいんだ

今まで見たことのない景色や
触れたことのない空気の中に自分を置いて
これからの自分をじっくり考えたい

嵐の大野智じゃなく

一人の40の男として
これからの人生を
自分の脚でしっかり歩いていくために


5人で過ごしてきた日々が
今胸の中でキラキラと輝いている


大切な…
大切な4人…

どこにいても
何をしていてもきっと

4人の事は心にあると思う


俺にくれた手紙だけど
みんなにも持っていて欲しくて
コピーして、自分の手紙と一緒に
青い表紙を付けて綴った

明日にはみんなに届くかな?


大きく深呼吸した俺は
もう一度
カーテンを引いて外を見た


青い空に白い雲がゆっくりと流れていた


不安だけど
怖くはない

だって俺には4人がいるから…


「いってきます」

誰もいない部屋にそう言った俺は
キャリーバックを引いてドアを閉めた


涙はない


だって
明日はきっと輝いているはず…


そうでしょ?

翔くん
相葉ちゃん
ニノ
松潤



4人の笑顔が

青空の向こうに見えた気がした


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