第40章 『ただいちどたけ』〜 相葉×二宮〜
愛された気怠い身体を持て余す俺は、
雅紀の胸で目を閉じている。
寝てなんかいない……
雅紀の温もりを、
しっかりと身体全部で覚えてるんだ。
会えなくても、絶対忘れないように…
自分の誕生日に、
俺の前に生きてる時そのまんまの姿で現れた彼は、それまで死神の手伝いをして、
ポイントを稼いでいたそうで…
また同じように体温のある、
触れることが出来るオバケになって現れるには、時間がかかるんだそうだ。
「俺頑張るからさ!待っててね~
一日でも早くポイントカードいっぱいにして、
ニノを抱きに来るよ!」
(。-`ω-)…………
お前の目的って、それだけかよ///
「だって重要じゃん!しっかりと抱き合って、
キスして、エッチして、
んで、ニノの中でたくさん出し…」
「だあああぁっ!!!バカかおまえ!!」
照れんな照れんな❤
そう言って雅紀は、俺の頭をワシャワシャ撫でた。
ホントにさ。
たくさん出したなんてもんじゃないからね~?
オバケなのに……
そんなもん、人の腹ん中にぶちまけるって…
聞いたことね~わ(-_-;)
夜が明ける頃…
雅紀はやっとホントのオバケらしく、
徐々に透き通ってくる。
「ニノ、ニノ…」
「雅紀…」
「浮気すんなよ~」
「さあね~…」
「見張ってるもん、俺!」
「……知らね…」
出来れば行かないでと願って、
必至にその温かい胸に縋ったけど。
少しずつ、少しずつ、
俺の腕の中で消えていく恋人…
「ニノ…時間が来たみたい……」
「雅紀…俺……」
「会えてよかった…幸せだったよ…」
「そんな言い方やめろよ!!
ずっと待ってるから…早く来いよ!
来ないと…来ないと俺、他の男とヤルからな!」
雅紀が優しく笑った。
「…ニノ…死んでもずっと…お前だけだ」
「雅紀……」
涙が溢れて、雅紀のお日様みたいな笑顔が、霞んでいく…
「ニノ……アイシ…テル…」
朝日が窓を照らした瞬間、
雅紀は俺の腕から、
消えた……