第39章 『大切な日には』 【大野智BD記念】
【智】
………ずっと、もうずっと前から
こうしたかった。
翔くんに、
相葉ちゃんに、
ニノに、
松潤に、
みんなに抱いて欲しかった。
だってさ。
俺、みんなのことが大好きだったから…
一人に決めるなんてできなかった。
みんなが同じくらい好きで、
みんなに愛して欲しかった。
大好きな4人のこと、
誰にも渡したくなかった。
だけど……
そんなの普通じゃない…でしょ?
だからずっとその気持ちは押し殺して来た。
みんなと『嵐』でいられれば、
それでいい…って。
自分に、そう言い聞かせて来た。
でも……どうしても気持ちが溢れそうになって、
外に湧きだしそうになって。
これじゃダメだ!!
って…
詰まんない女と身体だけ繋げてみたりもしたけど…
反って虚しくなるだけで…
心は空っぽになっていった。
そんな鬱屈した毎日に限界を感じていた時、
俺に声を掛けてくれたのが、
翔ちゃんだった。
「智くん……話してみなよ?」って…
最初は何の話か分かんなかった。
だって必死に隠して来たから…
まさか翔ちゃんに見抜かれてたなんて、
夢にも思ってなくて。
キョトンとする俺に、翔ちゃんは、
「俺だけが、智くんと付き合ってもいいけど、それだけじゃ、だめでしょ?」
そう笑った。
その笑顔が、あんまり優しくて…
俺は不覚にも、泣き出してしまった。
今まで抑えていたものが、
一気に溢れ出してしまったみたいに…
泣けて泣けて、仕方なかった……
翔ちゃんは、よしよし…って、
俺が落ち着くまで、
ずっとずっと頭を撫でてくれていた。
4人が大好きで…
大好きだけじゃ足りなくて…
もうずっと前からみんなに愛して欲しかった。
でもどうすることも出来なくて。
諦めることも、
想いを告げることも出来ないでいた俺に、
翔ちゃんが答えをくれたんだ。