第37章 『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活④~櫻井×二宮~
【 二宮side 】
翔が、木村くんに、俺たちの関係を
はっきりと話してくれた。
その事だけで、もう泣けるくらいに嬉しかった。
翔って、男子校出身のせいもあるのか、
上下関係にはきちんと線引きをして付き合う人で。
ちゃんとしている、と言えばそうなんだろうけど…
だからいつも、直ぐにタメ口みたいにしちゃう俺のことを、羨ましいって、そう言うけど…
翔には、俺みたいには出来ないよ…
って思う。
まあ、本人には言わないけどさ(^^;
育った環境があるんだと思う。
俺は、小さい頃から、じいちゃんの工場の従業員さんたちに可愛がられてて…
そんな大人たちにも、始めっから敬語なんか使わないからさ。そういうのが、当たり前だって思ってた。
だから、いつもきちんと年上の人を立てる、
そんな翔が、俺は好きなんだ。
周りの人に気遣いできて、
目上の人に尊敬を持って接する『お堅い櫻井翔』
……うまく言えないけどね…(^^;
「じゃ、そろそろ帰るか…」
立ち上がった木村くんに、
「あの…いろいろありがとうございました!
俺…この間木村くんが家に来たとき、
かずとのこと、隠してしまったこと、
後悔してました。
今日、ちゃんと話せて、よかったです!
これからも、かずのこと、よろしくお願いします!!」
深々と頭を下げる彼につられて、
俺も一緒に頭を下げた。
「ナリだけじゃなくて、櫻井、お前もな!!」
「は、はい!!是非!」
木村くんに言われて、
翔はホントに嬉しそうだった。
そして、
そんな二人を見ているのが、
なんだかくすぐったくって、
本当に幸せだった。