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風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第37章  『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活④~櫻井×二宮~



「さて、そろそろ帰ろうかな?
明日早いんだったよな?」

「えっ??」

あ、そうだった!
明日早朝からロケって、
そう苦し紛れの言い訳したのは、俺だった。
↑忘れてたんかーいっ///

「じゃ、ご馳走様!コーヒー美味かったよ」

「いえ、こちらこそ!また連れてってください!」

「おう!今度は櫻井も行こうか?」

「ええ~?イイんですか!!是非…」

玄関まで二人して木村くんを送っていった。


「じゃ、お邪魔しました~」

「また来てください!」

「そだな。今度はゲーム教えてくれよな~」

「はい!」


帰ろうとして背中を向けた木村くんが、
思い出したように振り返って、

「確認だけどさ…」

「「はい??」」

「お前たち、付き合ってないよな?」

//////……(;・∀・)(;´∀`)

「ま、まさか~…」

そう笑ったけど、胸の奥がチクリと痛んだ。



「はあ~///」
「ふう~…」

俺たちはどっと疲れて、ソファーに深く座り込んだ。

「翔、ごめん…」
「驚いたよ~」
「帰ると思ったら、一緒にタクシー下りちゃって…翔に連絡できなかったんだ…」

「いや…仕方ないよ…」

かずは何も言わずにこてっと
俺の肩に凭れかかってきた。

その肩を抱き寄せながら、
俺はさっきの木村くんの言葉を思い出していた。


『お前たち、付き合ってないよな?』


………言う必要は、無かったとは思う。

でも……

かずの髪を撫でながら、
俺はギュッと唇を噛みしめた。

『俺たち、結婚してるんです』

そう言ってやれなかった自分に、
なぜか、無性に腹が立った。

誰にでも、話せばいいってもんじゃない…

だけど……


保身のために、俺…
かずに対して、誠実じゃなかった…

かずは何も言わない。
でも本当は…

心の中では、きっと……


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