第37章 『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活④~櫻井×二宮~
どうしよう、どうしよう、どーしよ~っ!?
「ほら、開けて?それともチャイム押す?」
「あ、いや、開けます…」
何の名案も浮かばないまま、
俺はドアを開けた。
「カズ~♡おかえ…えーっ!?」
玄関のドアが閉まると、翔が飛び出して来た。
しかも、上半身裸(-ω-)/
どう説明すればいいんだ!?
翔、上手いこと誤魔化すのかな?
……それとも…
「あれっ??櫻井??」
「きむら、くん…?」
突然の木村拓哉の訪問に、
翔は当たり前だけど、固まった。
「櫻井、何でいるの?
おまえたち一緒に住んでるの?
つ~か、ナリと櫻井って…」
「いや、あの、えっと、明日…
そう!明日ロケの集合が早いから、
じゃ、一緒にってことになって…な~!」
「あ、うん…まあ」
「ふ~ん……」
木村くんは俺たち二人を交互に見た。
感情の読めない目で…
「あの、よかったら上がってください!」
こんな時でも、流石は翔!
木村くんを中に招き入れた。
「じゃ、ちょっとだけ…」
「じゃ、こっちで手!手洗ってください!」
俺は洗面所に木村くんを誘った。
「何だよ~、俺をバイ菌みたいに~」
「そうじゃなくって!ほら、変な菌が付いてるかも知れないじゃないですか~」
俺は木村くんの背中を押しながら、翔に目配せした。
洗面所で、二つ並んだ歯ブラシとか、
色違いのバスタオルとか見つかって、
少しだけ冷やかされたけど…
ふたりで手を洗ってリビングに戻ると、
棚の上の写真立てが嵐5人のを残して消えていた。
翔が片付けたんだ…
「飲みますか?それとも…」
「明日早いんだろ?お茶でいいよ…」
「じゃ、コーヒー入れますね」
俺は急いでキッチンに入った。
リビングには翔と木村くん…
そのツーショットをチラチラ見ながら、
俺はコーヒー豆をひいた。
木村くん…どう思ったかな?
翔の説明……信じた?
それとも…?