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風 ~抱き合いながら~ 【気象系BL】

第37章  『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活④~櫻井×二宮~


【 翔side 】

「さあ舞い上がれ~、夏疾風~🎵
🎵🎵~🎵🎵🎵🎵~🎵🎵」

俺はご機嫌に風呂掃除をしていた。


今日は取材の仕事がかなり巻きで終わって、
俺は明るいうちに帰ってきた。

帰り支度をしていると、大野さんに
「翔ちゃん、ご機嫌だね…」
と言われ、自分が浮かれていることに初めて気づいた。

「えっ?そうかな~?」

「ニノが待ってるんでしょ?」

「あ、いや…今夜は…」



カズは今日、木村くんとご飯に行ってる。

ふたりで映画をやってからというもの、
すっかり彼に気に入られたカズは、
プライベートでもお酒を飲みに行ったり、
洋服や靴を貰ったり…

今までからしたら、考えられない急接近だから、
戸惑いもあるけど…

まあ、俺には少し羨ましくもある訳で。


カズだから…

人懐っこくて、人の懐にするっと上手に入り込めるから…先輩の俳優さんや、所謂大御所と呼ばれる人たちからも可愛がられている。

それ自体は悪い事じゃない。
悪いことどころか、好ましいと言える。

どうしても、変に気を使ってしまい、
近付いていけない俺にとっては、
羨ましい限りだ。

んで、今日も、

『木村くんに西麻布のイタリアンに誘われたんだけど、どうしよう?』
とLINEが着た。

今日はカズはオフで、
夕ご飯を作って待っててくれることになっていた。

だけど、断れっていうのも大人げないし、

『いいよ、行っておいで!いつもは食べられないような高級なんもん、ご馳走になって来いよ!』
と返事をした。

『知ってるくせに…高級なものは食えないから(:_;)』
そんなカズの返信に、ニヤニヤしていた昼間。

大野さんは、そんな俺を覚えていたらしくて。

帰ったらカズが待ってるって思ったらしい。


「今夜は木村くんとご飯行ってる」

素っ気なくそう言うと、大野さんは俺の背中をバシッと叩いて、

「大丈夫だ!!あいつは翔ちゃんのもんだから!!」
と言った。


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