第34章 『いつも貴方がいた』その後のふたりの生活③~櫻井×二宮~
【 翔side 】
その後、3人でのユニット曲のリハをして、
家に帰ったのは夜の10時過ぎだった。
カズは、可笑しいくらいに今日のことについて何も話さない。
俺は、松潤との感想を聞きたかったんだけど、なぜかそのことには触れたくないような...
まあ、もっとも。
俺と松潤の話をすれば、当然カズと相葉くんのユニットの話もしないと不自然な訳で...
どんな風に言ったらいいのか?
俺は正直戸惑っていたんだ
素直な感想を吐けば、やきもち妬きの女々しい男になりそうで...
かといって、『凄い良かったよ~』というのも、何だか違う気がして。
こんな時、大抵いつもは俺の方から歩み寄るんだ...だけど。
目の前で繰り広げられた、あまりにセンセーショナルなペアダンスの光景が、今も頭から離れなくて...
「翔、先にお風呂入っちゃう~?俺洗濯とかしてからにするから...」
不意にカズにそう言われ、彼の顔を見ると、少し困ったような言いたいことを言えないでいる様な、そんな顔をしていた。
カズも...そうなのかも...
それに気付いたくせに、どんな言葉で伝えたらいいのか分からなくて、俺はドギマギしながら、
「じゃ、お先に...」
と風呂場へと逃げ込んだ。
明らかに、いつもの俺らしくない...
しっかりしろよ!!櫻井翔!!
身体を洗って湯船に浸かって、今日のリハのことを考えてみた。
縺れあうような、カズと相葉くんの姿が頭ん中をぐるぐる回る。
分かっている。
ただのダンスだって。
カズの気持ちが俺にあることも、相葉くんに特別な感情なんかないことも。
.........
こんなのヤダな...ちゃんと話そう。
俺らしく...
俺の言葉で...思ったこと、全部...