第31章 『そうだ!銭湯へ行こう!』~松本×二宮~
午後の柔らかな日差しが俺を包む...
10月にしては暑いくらいの日曜。
大通りの喧騒は、
風向きの悪戯か、ここまでは全く届かない。
.....ああ、なんて気持ちがいいんだろう。
「かずなり~!」
...... ....
俺は、こんな世界から切り離されたような、非日常的な空間が好きで...なんというか..
「かずなり~!聞こえないの~!?」
......(。-`ω-)...
「はーい!!」
「ちょっと、夕方からじいちゃんの代わりしてくれな~い?」
「え~///ヤダよ~(-"-)親父がやればいいじゃん!」
「父さんは商工会の会合があるのよ~。
じゃあ、母さんはダンスサークルの練習行ってくるからね!」
......ふざけんなよ~(;一_一)
何で俺に頼むんだよ///
......断る理由の一つもあればよかったけど...
残念ながらデートの予定もないし。
「はあ~///(-_-;)」
俺は渋々起き上がって時計を見た。
後30分か...(*´з`)
俺の大好きな微睡みの時間は、母ちゃんの声であっという間に現実へと引き戻された。
10分前に俺は客を迎える準備をして、定位置についた。
手には何冊もの漫画本。
耳にはイヤホンを着け、携帯につないだ。
.....よし。準備はOK...
出来るだけ気配を消して...
置物のようになれれば成功だ。
常連さんにくだらない声を掛けられなければ、ミッションはクリア...
なんなら、今日は客なんか来なくても...
「こんばんは~...あらっ?今日はかずくんなの~?やだ~、どうしましょ///」
「....いらっしゃい(-_-;)」
最初のお客は、常連さんの薬局のおばあちゃんだった。