第30章 『炭酸みたいな恋をしよう! scene2』~櫻井×大野~
【翔】
どうしても胸のざわざわが収まらなくて。
智くんを真っ直ぐに見ることができない...
今日の智くん...気のせいかな~?
何かいつもよりも色っぽくて...
余裕がなくて...
ニノ達のことも衝撃的で...
もう頭の中がぐちゃぐちゃでさ。
集中して勉強するなんて、全然できないのに...
俺は熱っぽい智くんの視線を感じながら、必死に働かない頭で英文を書き写してた。
そしたら...
「グスッ」
驚いて顔を上げると、目の前の智くんは、悲しげな顔して泣いていた。
「智くん?」
俺は焦った。
何で?
どうして泣いてるの??
「どっか痛いの?」
肩に手を掛けて顔を覗き込むと、智くんは首をぶんぶん横に振って否定した。なら、どうして...
「...何か...翔くん...冷たいもん..ぐすっ..」
冷たい?冷たいって、そんな...
心当たりがあり捲りな俺は、急いで智くんの隣に行って座り直し、震える肩を抱き寄せた。
「ごめん...俺...智くんのことが好きすぎて...だから...それで..」
「じゃ...チュウ、したい...」
えっ!?
.........
俺は俯く智くんの顎を、静かに上向けた。
智くんはキラキラした目で俺のことを見つめてから、ゆっくり濡れた睫毛を伏せた。
そっと重ねた唇...
震えてるのは、智くんじゃなくて俺の方だった。
ドキドキを悟らるのが恥ずかしくって、直ぐに離れようとすると、智くんは俺の首を自分の方へ引き寄せ、薄く口を開けた。
......招かれるままに...
俺は魅惑的なその中に熱い舌を送り込んだ。
大胆なその行動とは裏腹に、智くんが俺から逃げるから、思わずそれを追いかけて、絡め取った。
それは、欲情的に俺に応えて来た。