第30章 『炭酸みたいな恋をしよう! scene2』~櫻井×大野~
【翔】
正直、何がびっくりするってさ。
自分がステージで智くんに告白した事...
あり得ないよな?
って。
後になって冷静になると思った。
でも、あの時は、文化祭で学校全体が変なテンションになったし、好きだってそぶりを見せても、ちっとも気付いてくれない智くんに、少しの焦りと苛立ちを覚えていたんだ。
鈍いのもあそこまでいくと犯罪レベルだよ...
斗真にはしつこく言い寄られてたし、部活が終わったら、そんなに智くんにも会えなくなるし...
んで。
実行委員に「男になれ!」なんて煽られて、その気になって。
結果オーライだったからいいようなものの...
まあ、そのお陰で、今智くんの隣に居られる訳で。
しかも、あの告白のお陰で、俺達の邪魔をするものもいない。
たまに揶揄われるのは仕方ないけど...(^^;
今、最高に幸せだからさ♪
文化祭が終わり、俺達3年生は受験モード一色になった。
地元では一番の進学校なので、全体の半分は国立大学に現役で入る。
残った半分は私立、そしてその残りはもう1年頑張る組として、予備校にめでたく入学となる。
俺は今日も智くんと図書館に来ていた。
国立大学進学を目指して...
「翔くん...ここの数式、どうやって解くの~?」
「ああ、ここはね...」
顔を寄せてノートを覗き込むと、当然超接近する...
数式を解く途中で、そっと智くんの顔を見たら、智くんも俺を見て...
その距離、僅か10㎝...
思わずその頬に唇をつけて直ぐに離れた。
そしたら智くんは、パッと真っ赤になって俯いた。
か、かっ、かわいい――――///ヾ(≧▽≦)ノ